「分かる人にはちゃんと分かる品ばかりみたいですよ。私にはわかりませんでしたけどね!
でも、西園寺さんはわからなかったことが気になっていたわけではないみたいです」
実は宝の山状態だったということを信じたくないのでしょう。
義母は、あの人がそんないいものを見つけられるはずがないとブツブツ言っていました。
西園寺さんは私がこれまでの経緯を話すと深いため息をついて自分の話をしてくれました。
「最近あなたのお義母さんと時々お会いするんだけど、きっと私が社長夫人だから近づいてきているんじゃないかなと思っているの。
あなたは以前に車で送ってきたことがあるでしょ?
あの時も、使用人が送ってくれたって笑っていたのが違和感しかなくてね」
おそらく似た理由で近づいてくる人が多いからか、義母の下心にも気づいているようでした。
「旦那さんの思い出の品を、処分にお金がかかるからってお嫁さんに押し付けるなんて考えられないわ。それが私を家に招いたときのシュミレーションをしてのことだと思うと遺憾でしかないわね」
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