だが明らかに携帯を気にする時間が増え、内容が見られないように注意深くしており普段持ち込まない風呂場にまで携帯と一緒だ。
帰りが遅くなるといえば心なしか喜んでいるようにも見え、誰かが家の中を出入りしている気配もしている。
きっとこれは不倫なのだろう、そう思っていた。
だが実際に確証があるわけでもなく、仕事が立て込んでそれどころではなかったこともあり
深く追求することもなければ、責めるなんてこともなかったのだ。
「触らぬ神に祟りなし」少しいは違うかもしれないが、今は波風立てずにいた方がいいと思っていたのが現実だった。
そうこうしているうちに仕事もひと段落し、日常が戻ってきたと思っていた矢先に言われた「もうあなたは用済みよ!」という言葉に
大きく目を見開き、驚いたような表情はしたと思うが、そこからはいやに冷静で
自分でも驚くほど落ち着いた声で続けた。
私「用済みって、いきなりどういうことだよ?」
妻「文字通り、そのままよ。別にあなただって私のことどうだっていいでしょ?」
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