例えばハルちゃんママは早とちりなクセがあって、隣のクラスだけの情報を間違って私たちに共有して混乱したことがあったし、タクくんママはうっかりさんで約束の時間を勘違いしてなかなか集合場所に来なかったり、ルイちゃんママはとにかく気合いが入りすぎていてイベントごとがあるたびに張り切りすぎてパワー切れになっちゃうし、かく言う私はお人好しで、大体のことは許してしまうし安請け合いしてパンクしてしまうことが度々あったりして。
みんなそれぞれ個性的といえばそうなのですが
親といえど完璧なわけはなく、少しずつ苦手なことやよくないところを持ちながらも支え合って過ごしていました。
ただひとつ、どうしても納得がいかないのが「エイミちゃんママ」のことでした。
エイミちゃんママのヒヨリさんは人当たりがよく、フットワークも軽いのでみんなから慕われているようなのですがそれは表向きだけで、みんなちょっとした疑問を抱えているようでした。
「ヒヨリさん、この前みんなでアルバムを作ったじゃない?その時私の家のハサミがなくなってしまったみたいなの。もしかしたらヒヨリさんのところに混ざってないかしら?他のママにも聞いてみたんだけどやっぱりなくて…。結構気に入ってたから見つけたいのよね。」
「あー、あの切りやすいハサミ?私持ってるよ?」
「え?ヒヨリさんのところにあるの?」
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