「あなたの子供、発達が遅いんじゃない?うちの子はもっと早かった」
義姉がまた言った。親戚10人の前で。
私は29歳、初めての育児に奮闘中。息子は生後8ヶ月。義姉は35歳で3人の子持ち。長男、次男、長女を育て上げた「ベテラン母」を自称している。
そして、ことあるごとに私の育児に口を出してくる。
「そのやり方じゃダメよ」「私の時はこうだった」「だから1人目なのよね」
最初に会った時から、義姉のマウントは始まっていた。
私が妊娠を報告した時、義姉は「へえ、初産ね。大変よ〜。私は3人産んだけど余裕だったわ」って。
出産後、義実家に赤ちゃんを連れて行くと、義姉の説教が始まった。
「え、母乳じゃなくてミルク?可哀想に。母乳の方が免疫つくのに」
私は母乳の出が悪くて混合にしていた。医師も「それで大丈夫」と言ってくれたのに。
「混合でも問題ないって医者が言ってます」
「医者は無責任なこと言うのよ。母親なら努力して母乳出すべきよ。私は完全母乳だったわ」
はあ。
義姉の子供が泣くと「あら〜どうしたの〜」と優しく抱っこ。私の息子が泣くと「あなたの育て方が悪いんじゃない?」って。
義実家の集まりでは、義姉の子供ばかりが褒められる。
「お姉ちゃんの子はみんな賢いわね」「さすが3人育てただけあるわ」
私の息子は「まだハイハイしないの?」「言葉が遅いわね」と比較される。
息子は成長曲線内で、小児科医も「順調です」と言ってくれてるのに。
義姉の攻撃は続いた。
しかし、最後は義姉が泣く展開に…
【続き】
生後6ヶ月の離乳食を始めた時、義姉が「え、ベビーフード使ってるの?私は全部手作りだったけど」。
息子が風邪を引いた時、義姉が「免疫力が低いのよ。母乳じゃないから」。
私が仕事復帰の話をすると、義姉が「可哀想。私は専業主婦で子供にずっと寄り添ったわ」。
もう、何を言っても否定される。
夫に相談しても「姉さんは経験豊富だから、アドバイスしてくれてるんだよ」って。
全然味方してくれない。
そして先週、義実家での集まりで、あの発言が出た。
「あなたの子供、発達が遅いんじゃない?うちの子はもっと早かった」
親戚10人の前で。
息子は8ヶ月で、まだつかまり立ちができない。でもそれは普通の範囲。義姉の長男が7ヶ月でつかまり立ちしたからって、うちの息子が遅いわけじゃない。
でも義姉は続けた。
「心配なら専門医に診てもらった方がいいわよ。早期発見が大事だから」
親戚が心配そうな顔で私を見る。
私の中で何かが切れた。
「義姉さん、医者でもないのに診断するんですか?」
義姉が固まった。
「え?何それ、心配して言ってるのに」
「心配?親戚の前で発達が遅いって、それ名誉毀損ですよ。根拠もないのに医学的な診断をするなら、訴えますけど」
義姉の顔が真っ赤になった。
「ちょっと、そこまで言わなくても…冗談じゃない」
「冗談に聞こえませんでした。息子は小児科で順調だと言われてます。義姉さんの主観で勝手なこと言わないでください」
義母が慌てて「まあまあ、そこまで言わなくても」と仲裁に入ろうとした。
でも私は止まらなかった。
「義母さん、今まで義姉さんは私の育児を否定し続けてきました。母乳、離乳食、仕事復帰、全部です。私は医師の指導のもと、ちゃんと育児してます。もう我慢できません」
夫が「ちょっと、落ち着いて」って言うから、私は夫を睨んだ。
「あなたもです。今まで義姉さんの味方ばかりして、私の気持ちを全く理解してくれなかった」
そして義姉に向き直った。
「もう義実家の集まりには参加しません。義姉さんと関わりたくないので」
義姉が「ちょっと、そんな…」って言葉を失ってる。
私は息子を抱いて、その場を去った。
帰りの車で、夫が言った。
「さすがに言いすぎじゃないか?姉さん、傷ついてたぞ」
「傷ついてたのは私です。ずっと。あなたは気づかなかったんですか?」
夫は黙った。
家に帰ってから、私は今までの義姉の発言をノートに書き出した。日付と内容。全部覚えてた。
それを夫に見せた。
「これ、全部義姉さんが言ったことです。あなたは『アドバイス』だと思ってたかもしれないけど、私には否定と攻撃にしか聞こえませんでした」
夫はノートを読んで、顔が青くなった。
「こんなに…言われてたのか」
「はい。でももう終わりです。義姉さんとは距離を置きます」
それから、私は義実家に行かなくなった。夫だけが行く。
義母から「仲直りしなさい」って電話が来たけど、「義姉さんが謝罪するまで無理です」って断った。
義姉からも一度だけ「あの時は言いすぎたかも」ってLINEが来たけど、「かも、じゃなくて言いすぎたんです。ちゃんと謝罪してください」って返した。
義姉は既読スルー。
それから3年。
私は義実家の集まりに一切参加していない。夫は理解してくれて、「君が正しかった」って言ってくれるようになった。
そして先月、義姉から久しぶりに電話がかかってきた。
「あの…ちょっと相談があって…」
義姉の長男が中学で不登校になったらしい。次男も反抗期で手に負えない。長女は小学校でいじめに遭ってる。
「どうしたらいいかわからなくて…あなた、教育関係の仕事してたわよね?相談に乗ってほしいの」
私は冷静に答えた。
「義姉さん、3人育てたプロなんですよね?私は1人しか育ててない素人ですけど」
「それは…あの時は言いすぎたわ。ごめんなさい」
3年越しの謝罪。
でも私は続けた。
「プロなら自分で解決できますよね?私に頼らなくても」
「お願い…本当に困ってるの…」
「私の息子、今3歳ですけど元気に保育園通ってますよ。発達も順調です。義姉さんが心配してた『発達の遅れ』なんて全くありませんでした」
義姉は何も言えなくなった。
「それでは失礼します。お子さんたちの問題、専門家に相談してください。私は専門家じゃないので」
電話を切った。
夫が「姉さん、泣いてたらしいよ」って後で言ってきたけど、私は何も感じなかった。
私が泣きたかった3年前のことを、義姉は忘れたのか。
今、息子は元気に育っている。私は私なりの育児をして、息子は幸せそうだ。
義姉の「育児マウント」は、結局自分の育児の失敗を隠すためだったのかもしれない。
3人育てても、子供が幸せじゃなければ意味がない。
因果応報。
義姉には良い勉強になったはずだ。



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