夫「その髪型、似合ってないから伸ばせよ」
私がショートヘアにした翌日のことだ。
私は28歳の会社員。夫は30歳で同じく会社員。結婚して2年。交際中は「君のそのままが好き」って言ってたのに。
「え?私、ショート気に入ってるんだけど」
「俺は長い髪が好きなんだよ。女はロングヘアが一番だろ」
「でも私の髪でしょ?」
「俺の妻なんだから、俺の好みに合わせろよ」
夫の「指示」は、それから日に日にエスカレートしていった。
「スカート履けよ。パンツスタイルは女らしくない」
「化粧薄いな。もっと濃くしろ」
「そのワンピース地味すぎ。もっと明るい色着ろ」
私が「私のスタイルがある」と反論すると、夫は不機嫌になる。
「お前、俺のこと好きじゃないの?好きなら俺の好みに合わせるだろ」
私は徐々に、夫の言いなりになっていった。
髪を伸ばし始めた。スカートばかり履くようになった。化粧を濃くした。
でも、鏡に映る自分が誰だかわからなくなった。
これは本当に私なのか?
ある日、友人とランチに行った。
「なんか…変わったね。前の方が似合ってたよ?」
友人の言葉にハッとした。
「実は…夫が、こうしろって…」
「は?それってモラハラじゃない?」
モラハラ。
そんな大げさな、と思ったけど、友人は真剣だった。
「自分らしさを否定されて、相手の好みに合わせさせられるって、立派なDVだよ」
その夜、家に帰ると夫がSNSを見ていた。
「お前、今日友達とランチ行っただろ。写真見たけど、その服装ダサいな。恥ずかしいから削除しろ」
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