義父「何を言ってるんだ?俺は果物はあまり好きではないよ。」
驚いた。あまり自分の意見をいうことの少ない義父がはっきりと好きではないと言ったからだ。
その一言に義母は面食らった様子で、そんなはずないじゃないイチゴが嫌いな人なんていないわよと続ける。
義父「また思い込みで買ってきたのか。その行動はそろそろ治した方がいいんじゃないか?
それにこんな高価なケーキを買わなくたってよかったんだ、豪華な食事の後にはケーキは沢山食べられないからね。俺ももう年だよ、お前だってわかるだろう?」
義母「もう、そんなこと言って…どうせ照れ隠しなんでしょ?素直じゃないんだから」
義父「またそうやって自分の都合のいいように解釈するんじゃないよ。」
義母「都合のいいだなんてそんな…」
義父「この前もらったゼリー、ほらあれくらいでいいんだ。」
義母「え?」
義父が食べたいと言ったのは、私の記憶の中で義父が嬉しそうに食べていたゼリーのことだった。
ケーキ屋で私が思い出していたあの記憶は間違っていなかった。
私はすぐに察し、残っていたゼリーを冷蔵庫から取り出した。
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