「今日も家にいるだけで楽でいいよな」 夫が出勤前に言った。私は2歳の娘を抱えながら、朝食の片付けをしていた。
「楽じゃないわよ。今日も予定がいっぱいで…」
「子供と遊ぶだけなんだから、羨ましいよ。俺なんて満員電車で通勤だぞ」
「遊ぶだけじゃなくて、家事も育児も…」
「専業主婦なんだから当然だろ。俺は外で稼いでるんだから」
私は何も言い返せなかった。
その日の午後、娘がお昼寝から起きてぐずり始めた。 抱っこしながら洗濯物を取り込み、夕飯の準備を始める。 娘は「ママ、遊んで!」と泣く。
夕方、夫が帰宅した。 「ただいま。疲れた…今日も会議続きでさ」 「おかえり。夕飯もうすぐできるから」 「お前は家でゆっくりできていいよな」
私は娘を抱っこしたまま、鍋をかき混ぜていた。
翌週も同じだった。 「今日も家でのんびりか。昼寝とかできるんだろ?」 「昼寝なんてできないわよ。娘が寝てる間に家事をして…」 「大げさだなぁ。子供なんて遊んであげれば機嫌いいんだから」 「そんな簡単じゃ…」 「俺の母さんは3人育てながら完璧にやってたぞ。お前、要領悪いんじゃない?」
もしかして、本当に私の要領が悪いだけなのかもしれない。
しかし1ヶ月後、夫は自分の発言を、心の底から後悔することになる。
それも、たった3日間で。
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