やはりいつもと同様、明確な理由は教えてくれませんでしたがとりあえず向かうことにしました。
「これ、持ってってちょうだい!
あとこれも。こっちのも全部持っていってよ」
「あの…これは一体…」
「え?不用品だけど?お父さんが亡くなってからいらないものが山ほど出てきてね。あの人変なものを集めるのが趣味だったから、意味のわからない皿とかが多いのよ。あまりにも多くて捨てるにもお金がかかるし、あなたにあげるわ」
義母は部屋いっぱいの不用品を私に押し付けようというのです。
たしかに義父は少し変わったデザインのものを集めるのが趣味だったようで、私にはわからないようなものが、義父の部屋にはたくさん並んでいたのを知っています。
しかし、義母にとっては義父の形見であり大切なものなのでは…?
「こんな悪趣味なものを残していたって仕方がないわよ。西園寺さんがもし家に来た時に、趣味が悪いと嫌われちゃうでしょ?
いなくなってまで私の足を引っ張られたらたまらないもの!いない人のことなんてもう考えていられないわよw」
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