まだ義父との関係は浅く、好みをしっかりと把握しているわけではなかったが、せっかくの誕生日ケーキくらいは喜んでもらいたいと思っていた。
義母「さて、どんなケーキにしようかしら。」
私はふと、以前義父がいただきもののゼリーをとても嬉しそうに食べていたことを思い出した。
あまり口数の多くない義父が珍しく頬を緩ませ、「この素朴な感じがいいんだよな」と感想を述べていたのだ。
ただ、その出来事も一度きりのこと。
いくら今まで些細なことを気にすることでいい方向に向いてきたとはいえ、今回は情報が少なすぎた。
記憶を頼りに、一か八かゼリーの乗ったケーキを頼もうとした時、
義母「何を頼もうとしているの?」
私「このゼリーの乗ったケーキにするのはどうですか?華やかだしとても可愛らしくて美味しそうですよ。」
義母「ゼリーですって?あなたは本当に何も知らないのね。まあ自分の夫のこともわからないようじゃ無理もないわね。まだまだ若いつもりかもしれないけど、自分の匙加減で他人へのプレゼントを選ぶっていうのは浅はかじゃないかしら?」
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