妻が家にいる間は、僕ともとても仲の良い家族を演じるのです。
文句なんてひとつも漏らさず、僕を立てることまであるほどに猫をかぶっていることもあるくらいでした。
もちろん妻に相談しようと考えなかったわけではありませんが、夢に向かって長い時間をかけて準備してきたことも知っていますし、その夢がやっと叶い、今とても忙しく踏ん張りどきだということも知っていたので
よくある義家族との揉めごとくらいは自分で解決したほうがいいのだと判断したのです。
ところが、義母は僕が妻に報告しないことを逆手に取り愚痴や文句はどんどんとエスカレートし、人格否定をするまでになっていきました。
唯一救いだったのは、妻の耳に入ることを恐れてか「僕以外」の人には一切僕の悪口を言ってなかったということでした。
そのため、ご近所からの評判が悪くなることも変な噂が立つこともなく、一度家から出てしまえば特に悩みのない生活を送ることができていました。
その状況も、義母にとっては本意ではなかったようですが……。
こんな毎日を送っている間に、もともとは会社に直接出勤していた業務形態が、社会情勢も踏まえて自宅勤務の波に乗り本格的に在宅勤務に決定されました。
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