私「あの車を追ってください。」
こんなドラマのようなセリフをいう日がくるとは思ってもみなかった。
タクシーの運転手も一瞬驚いたような顔をしていたが、わかりましたと頷き走り出した。
信号で止まる度、義母が乗った車の車内では身を寄せ合う姿が見える。
それはまるで交際相手か結婚相手といちゃつく時のそれである。
なるほど、ここでやっと確信する。
義母はおそらく、自分が浮気をしているからこそ私だってきっと浮気をしているだろうという想像が膨らんだのだろう。
ご近所に言いふらしている噂話も想像にすぎないはずなのに妙にリアリティの強い内容だったのは
自分が実際に体験している内容も含まれていたのだろう。
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