幸いしばらく学校行事もなかったので顔を合わせることもなくなり、なんとか落ち着くのを待っていたのです。
でもこの事態は思わぬ形で収束することになるのです。
ユイコさんと話してから2週間が経ち、突然ユイコさん一家の引っ越しが決まったのです。
というのも、ユイコさんは職場でかなり仕事も頑張っていたようで新しいプロジェクトを進めるのを機に海外への転勤が決まったようなのです。
半ば強引に引っ越しが決まったようで、子どもたちは別れを惜しんでいましたがあっという間に海外に旅立っていきました。
夫にも別れを惜しむ果てしなく長いメッセージが送られて来ていましたが、それに返信してしまうと転勤を何としてでも蹴ってしまうような気がして怖かったのでそのメッセージも無視していました。
それからしばらくは子どもたち同士が文通をしていましたが、数ヶ月もするとパタリとやみ、連絡が取れなくなってしまいました。
もしかするとあの縁切り神社が私たち夫婦の関係を切るのではなく、私たちとユイコさんとの縁を切ってくれたのかもしれません。
ユイコさんが今どうしているのか私にはわかりませんが、この時感じた裏切られる恐怖と恋愛への執着への恐怖を私は忘れることはないでしょう。
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