【全編】「お前に友達なんていらないだろ。俺だけいればいいじゃないか」

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[2号]スカッと春香
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私が自宅で倒れた。

過労とストレスで意識を失った。夫は仕事で不在だった。

友人に連絡したかったけど、もう連絡先もわからなかった。夫がスマホを管理していて、友人の連絡先を削除させられていたから。

幸い、隣人の奥さんが物音に気づいて、救急車を呼んでくれた。

病院に運ばれて、一命を取り留めた。

入院中、夫は一度だけ見舞いに来て、「お前が無理するから」と言って帰った。

その後、見舞いに来たのは、隣人の奥さんだった。

「大丈夫?」って優しく声をかけてくれた。

そして3日後、驚いたことに、高校時代の親友、美咲が見舞いに来てくれた。

「隣の奥さんから連絡もらったの。心配で来ちゃった」

美咲の顔を見た瞬間、涙が止まらなくなった。

「ごめん…ごめん…連絡できなくて…」

「いいよ、いいよ。何があったの?」

私は全部話した。夫が友人関係を制限してきたこと、スマホをチェックされること、SNSも禁止されたこと。

美咲は真剣な顔で聞いていた。

「それ、DVだよ」

「え?」

「精神的なDV。あなた、支配されてるんだよ」

私は初めて気づいた。

これは愛情じゃない。支配だった。

美咲は「専門家に相談した方がいい」と言って、DVの相談窓口の連絡先を教えてくれた。

退院後、私は密かに相談窓口に電話した。

カウンセラーは「典型的な監視・束縛型のDVです」と言った。

「友人関係を断たせて、孤立させる。これは精神的虐待です。早く離れた方がいい」

私は決心した。

夫から逃げる。

美咲が協力してくれて、脱出計画を立てた。夫の出張中に荷物をまとめて、実家に帰ることにした。

そして、ある日曜日。

夫が2泊3日の出張に出かけた。

私は急いで荷物をまとめた。美咲が車で迎えに来てくれて、実家まで送ってくれた。

実家の両親は激怒した。

「そんなことされてたのか!すぐに離婚しろ!」

父が怒鳴った。母は泣きながら抱きしめてくれた。

翌日、私は弁護士に相談した。

弁護士は「これは十分に離婚理由になります。証拠はありますか?」

私は夫とのLINEのやり取り、スマホをチェックされている動画(密かに撮っていた)、そして友人たちの証言をまとめていた。

「完璧です。これなら有利に進められます」

離婚調停が始まった。

夫は「愛してたから心配しただけだ」「DVなんてしてない」と主張したけど、証拠の前には何も言えなかった。

調停委員も「これは精神的DVです」と認定した。

さらに、私は接近禁止命令も申請した。夫がストーカー化する可能性があったから。

裁判所は私の訴えを認めてくれた。

夫は「そんな…俺はお前を愛してただけなのに…」と被害者ぶっていたけど、もう聞く耳を持たなかった。

離婚が成立した。

私は自由になった。

久しぶりに美咲とランチに行った。他の友人たちも「おかえり」って言ってくれた。

「ごめん、連絡できなくて」

「いいよ。あなたが無事で良かった」

友人たちは変わらず優しかった。

今、私は一人暮らしをしている。毎日が自由だ。

友人とランチに行っても、誰にも報告しなくていい。SNSに好きな写真を投稿できる。スマホを誰にもチェックされない。

こんな当たり前のことが、こんなに幸せだなんて。

元夫からは時々「やり直せないか」とメッセージが来るけど、全部ブロックしている。

接近禁止命令があるから、元夫は私に近づけない。

先月、美咲が「素敵な人紹介しようか?」って言ってくれた。

「まだいいよ。今は自由を楽しみたい」

「そうだね。焦らなくていいよ」

友人がいるって、こんなに心強いんだ。

元夫が私から奪おうとした「友人」は、私を救ってくれた。

孤立させようとする人は、あなたを愛してない。

支配しているだけ。

本当に愛してくれる人は、あなたの人間関係を尊重してくれる。

私は今、それを理解している。

そして、もう二度と、誰かに支配されることはない。

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