昔から、人の変化や好み、何を考えているのかを察することが得意だった。
幼少期から親に厳しく育てられた影響からか、人の顔色を伺うということを同級生よりも早く覚えたように思う。
それによって、何か一度出された指示はなるべく忠実に素早く対応する癖がついたし、自分がどう立ち回ればその場がうまくいくのかもよく考えていた。
大人になるにつれちょっとした仕草、どんな飲み物を選んだのか、声のトーン、さまざまなことが自然と目に入るようになり意識しなくても覚えてしまうような生活を送っていたせいでその癖は今でも抜けずにいる。
とはいえ、大人になった今はその癖が活かされることも多いのが事実。
例えばあまり仲の良くない先輩でも、ふと差し入れにいつも飲んでいるコーヒーを買っていくだけで急に距離が縮まって仲良くなるきっかけができることがある。
ちょっとした髪型の変化に気づけば喜ばれ、新しいリップに気づいていち早く褒めれば同僚たちの中で流行っていることにだって乗り遅れない。
ふとした気づきで、良く気の回る優しい人にだってなれるのだ。
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