「お前の親、そんな仕事でよく子供育てられたな。貧乏で大変だっただろ」
両家顔合わせの帰り道、婚約者の健太がそう言った。
私は26歳の会社員。健太は28歳、商社マン。
付き合って2年、先月プロポーズされて婚約したばかり。
今日は両家の顔合わせ。
父は「中小企業で働いています」と名乗った。
母も「パートをしています」と控えめに話した。
二人とも質素な服装で、高級レストランでも場違いな雰囲気だった。
「え?」
「いや、お義父さん、中小企業の一般社員でしょ?給料安いだろうし、よく頑張ったなって」
健太は笑いながら言った。
「失礼だよ」
「何が?事実じゃん。うちの親父は大手企業の部長だけど、お義父さんは…ね」
健太の両親も今日の顔合わせで、父を見下すような態度だった。
「まあ、うちとは会社の規模が違いますからね」
健太の父親がそう言った時、私の父は黙って微笑んでいた。
家に帰ってから、私は父に電話した。
「お父さん、ごめん。健太が失礼なこと言って」
「大丈夫だよ。でも、彼は本当にいい人なのか?」
父の声が少し冷たかった。
「…わからなくなってきた」
数日後、健太が私に言った。
「お前の親、まあ貧乏だけど、俺が稼ぐから大丈夫だよ」
「貧乏って…」
「だって、中小企業の一般社員でしょ?年収400万くらい?大変だったろ」
私は黙った。
「まあ、お前はよく育ったよ。貧乏でもちゃんと大学出てるし」
その言葉に、私の心が冷えていった。
翌日、私は父に会いに行った。
「お父さん、婚約破棄したい」
父は驚いた顔をした。
「どうした?」
「健太が…両親のことを馬鹿にするの。貧乏だって。そんな仕事でよく育てられたって」
父は静かに頷いた。
「そうか。なら、そろそろ本当のことを教えてやるか」
すると父はまさかの発言を…
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