「美穂、ちょっと来てくれ」
「どうしたんですか?」
「腰が痛くてな。病院に付き添ってほしい」
私は、仕事を休んで義実家に向かった。
義父は、ソファでテレビを見ていた。
「あれ…腰、大丈夫そうですけど」
「ああ、さっき治った」
「え?」
「でも、せっかく来たんだから、飯作ってけ」
義父が、当然のように言った。
私は、呆れた。
「仕事、休んできたんですけど」
「別にいいだろ。パートだろ?」
「正社員です」
「どっちでもいいよ。早く飯作れ」
私は、仕方なく昼食を作った。
義父は、文句を言いながら食べた。
「味、薄いな。母さんの方がうまい」
「だったら、お義母さんに作ってもらえばいいじゃないですか」
「母さんは買い物に行ってんだよ」
義父が、不機嫌そうに言った。
「それに、これから俺の面倒見るんだから、練習だと思えよ」
私は、限界だった。
家に帰って、浩二に訴えた。
「お義父さん、嘘ついて私を呼び出したのよ」
「まあまあ、父さんも寂しいんだろ」
「寂しい?私を召使いだと思ってるのよ」
「そんなことないだろ」
「あなた、お義父さんの肩ばかり持つのね」
「俺の親だからな」
浩二が、冷たく言った。
私は、悲しくなった。
それから、義父の要求はエスカレートした。
週に3回、義実家に来いと言われた。
掃除、洗濯、料理。
全て、私がやらされた。
「美穂、もっと早く来いよ」
「仕事があるので」
「仕事より、俺の方が大事だろ」
義父が、当たり前のように言った。
ある日、私は会社の上司に呼ばれた。
「美穂さん、最近早退が多いけど、大丈夫?」
「すみません…義父の用事で…」
「このままだと、評価に影響するよ」
私は、頭を抱えた。
同僚の香織が、心配そうに声をかけてくれた。
「美穂ちゃん、大丈夫?最近疲れてるよ」
私は、全てを話した。
香織は、呆れた顔をした。
「それ、おかしいよ。義父さん、元気なんでしょ?」
「でも、嫁だから…」
「嫁だからって、召使いじゃないよ」
「私の母、介護施設で働いてるけど、そういう人多いらしいよ」
「元気な義父母が、嫁をこき使うパターン」
香織が、続けた。
「ねえ、一度義実家に行くの、やめてみたら?」
「でも、お義父さんが怒るし…」
「怒らせればいいじゃん。美穂ちゃんの人生でしょ?」
その言葉が、胸に響いた。
次に義父から呼び出されたとき、私は断った。
「すみません、今日は行けません」
「は?なんでだよ」
「仕事があるので」
「仕事なんて休めばいいだろ」
「休めません」
私は、電話を切った。
義父から、何度も着信があったが、無視した。
夜、浩二が帰ってきて怒鳴った。
【続きは次のページで】


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