「介護は嫁の義務だろ?それに同居してたんだから家賃分は浮いてたじゃないか。むしろお前らが得してたんだよ。遺言書にも俺たち兄弟の名前しか書いてない。弁護士にも確認済みだ」
夫が食い下がると、「法定相続分は3分の1だが、寄与分なんてものは認められない。諦めろ」と一方的に電話を切られた。
次男からもメッセージが来た。「兄貴の言う通りだよ。介護は家族の義務。お金を求めるなんて恥ずかしくないの?」
私は悔しくて、悲しくて、泣いた。5年間、何のためにあの苦労をしたのか。
でも、私たちは諦めなかった。実は介護を始めた時から、ある準備をしていた。
義母の医療費、介護用品、食費、光熱費。全ての領収書を5年分、きちんとファイリングして保管していた。合計で約800万円。さらに私が仕事を辞めたことによる逸失利益も計算できる。
そして決定的だったのは、義母が2年前に作っていた公正証書遺言の存在。認知症が進む前、義母は密かに公証役場に行き、「介護をしてくれた次男夫婦に自宅と預金の半分を相続させる」という遺言を作成していた。
長男が見せた「遺言書」は、認知症が進んでから長男が無理やり書かせた自筆証書遺言。筆跡鑑定でも義母本人のものか怪しいレベルだった。
私たちは弁護士に相談し、公正証書遺言の存在を明らかにした。さらに介護にかかった実費800万円と、5年間の介護労働に対する寄与分を請求。
結果、自宅(評価額2000万円)と預金1500万円、そして寄与分として500万円を獲得。長男と次男は残りを分けることになったが、当初の予定より大幅に減額。
長男は「そんな遺言書、聞いてない!」と怒鳴ったが、公正証書は法的に最強。覆すことはできなかった。
最後に義母が私たちを守ってくれた。「ちゃんと残すから」という言葉は、本当だった。
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