「私、フルタイムで働いてます」
「そんなの知るか!母さんは専業主婦で、俺のことを完璧に世話してくれたぞ」
義父が、テーブルを叩いた。
「俺の飯は?」
「今から作ります」
「今から?もう7時だぞ!使えない嫁だな」
その言葉が、限界を超えた。
私は、スマホを取り出して電話をかけた。
「お母さん?ちょっと相談があるの…」
翌日、実家の母が家にやってきた。
「恵、大丈夫?」
「お母さん…」
私は、母に全てを話した。
義父の暴言。夫の無関心。毎日の家事の押し付け。
母の顔が、見る見る険しくなっていった。
「許せないわね」
母が、立ち上がった。
「ちょっと、お義父さんと話してくるわ」
「お母さん、待って…」
「大丈夫。任せなさい」
母は、リビングに向かった。
リビングでは、義父がテレビを見ていた。
「あら、お義父さん。お久しぶりです」
母が、営業スマイルで言った。
「おお、久しぶり」
義父が、のんきに答えた。
「ところで、お義父さん」
母の声が、急に冷たくなった。
「娘を何だと思ってるんですか?」
「は?」
「娘も働いてるのに、全部押し付けるなんておかしいでしょ!」
母が、義父の前に立った。
義父が、驚いた顔をした。
「な、何を言ってるんだ」
「朝5時起きで、お義父さんの世話。仕事から帰っても、また家事」
「文句ばかり言われて、感謝の言葉は一つもない」
「これ、おかしいと思いませんか?」
義父が、顔を赤くした。
「だって、女は家事をするもんだろ」
母が、鼻で笑った。
「女は家事をするもの?じゃあ、男は何をするんですか?」
「男は働くんだ」
「娘も働いてますけど?フルタイムで」
義父が、黙った。
「それに、お義父さん。奥さんに何をしてあげたんですか?」
「何を…?」
「感謝の言葉は?手伝いは?」
「奥さんが毎日あなたの世話をしてくれたこと、当たり前だと思ってたんですか?」
義父が、何も言えなくなった。
母が、続けた。
「奥さんは、あなたに感謝されることもなく、文句ばかり言われて」
「それでも黙って耐えてきたんでしょうね」
「可哀想に」
義父の顔が、青ざめた。
「そして今、娘にも同じことをしようとしてる」
「感謝もせず、文句ばかり」
「そんな人の面倒、見る必要ないわ」
母が、私を見た。
「恵、荷物まとめなさい」
「お母さん…」
「いいから。こんな家、出ましょう」
【続きは次のページで】



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