私は田中さんから聞いた話を全て話した。
消費者金融の借金の話。
友人への借金の話。
人の家でしか高いものが食べられない話。
誠はしばらく黙っていた。
「…本当に?」
「田中さんが教えてくれた。他にも仲間に借り回ってるって」
誠はその夜、義母に電話した。
最初は否定していた義母だったが、誠が「全部わかってる」と言うと、電話口で泣き出した。
「お母さん、本当のことを話して」
「…ごめん、健一。実はね…」
義母の口から出てきたのは、想像以上の話だった。
年金は月7万円。
3年前から消費者金融に手を出していた。
借金の総額は200万円を超えていた。
「なんで相談してくれなかったんだよ」
「恥ずかしくて…あなたに心配させたくなくて」
「でも、さとみに高いもの要求し続けてたじゃないか」
義母は黙った。
「人の家で食べる時だけ高いものを要求するって、それはおかしいだろ」
「だって…自分じゃ買えないんだもの。みんなに惨めな思いをさせたくなくて」
誠が電話を切った後、リビングにしばらく沈黙が流れた。
「さとみ、本当に申し訳なかった」
「誠が謝ることじゃないけど」
「いや、俺が気づいてあげられなかった。母さんのことも、お前のことも」
それは初めて、誠が自分から言った言葉だった。
翌週、義母が家に来た。
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